One of 泡沫ブログ

世の中にいくつもある泡沫ブログの一です。泡沫らしく好き勝手書いて、万が一炎上したら身を潜めようと思います。※一部のリンクはアフィリエイトです

ネットウォッチも命がけ

改めて、徳力基彦さん、ご来場いただいた皆さまありがとうございました - やまもといちろうBLOG

 

結局、徳力は、やまもといちろうさんとイケダハヤトさんのどっちの味方だったんだという質問への回答。 - tokuriki.com

 

先日、やまもといちろう氏とイケダハヤト氏が対談されていたようです。これ、わたしも自宅で子守をしながらUstを見ていたのですが、残念ながら子供が大騒ぎしているのでまったく聞き取れませんでした。あとから書き起こしを見て感じたのは、ああ、やまもとさんはぶっちゃけ飽きているのに、きちんとイケダ氏に助け舟を出していて紳士だなぁと思う一方、イケダ氏が一体何を守ろうとしているのか、あまり意図が読めませんでした。あの場はイケダ氏がただの煽り屋から一皮向けるのに最適なステージだったと思うのですが、終始「上から目線」だの「旧態依然」だの、陳腐な構図に拘って、イケダ氏がたいした器でないことが露呈した格好になったと感じました。実際、あれをみて「何かもうワンパターンすぎて飽きたな」と言う人も多いのではないでしょうか。(もちろん、それと同じくらい、「すげえ!COOL!」と賛同する若い人も同じくらいいるのかもしれませんが)

 

わたしの観測では、イケダハヤト氏は一時期のブームはどこへやら、そろそろネタとしての総括が完了したのか、いよいよ芸人としてヤバいステージに入ってきたようにも思えます。最近ではますます先鋭化した「サラリーマンdis」オピニオンを量産されていらっしゃるようですが、あまり他所で言及されることもなくなってきたように思います。やはりたいして専門知識もない素人が、勉強せず雰囲気だけで売文しているとあっという間にネタが枯れてしまい、最後はだんだんと言説が極端になって消費尽くされてしまう、そんなブロガー界隈の恐ろしさを目にした思いです。

 

わたしのような無名の泡沫ブロガー(というほどブログも書いていませんが)は、イケダ氏を見ていて「自分ももし同じ立場だったら、たぶん同じような末路になるんだろうなぁ…」ということが容易に想像できて背筋が凍る思いです。もし、何かの手違いで自分自身がブームになって、なんだか周りからちやほやされるのですが、それに見合うだけの器が自分になかったら…たぶん、ああいう状態になるのではないかと思うのです。要するに、ブログのネタにできるような専門知識が何一つないのに、露出がそれを上回ってしまうという状態では、凡人は自分を切り売りするしかなくなり、次第に芸の「コア」となる部分すなわち自分自身そのものが先鋭化してしまい、ネタのインフレがあっという間にやってきてしまうのではないか、ということです。

 

ブロガー連中は皆、一見謙遜していますが、天才的な人間が多いと思います。わたしが見聞きする「プロブロガー」、たとえば池田信夫先生や小飼弾氏、finalvent氏、そしてもちろんやまもといちろう氏などが例に挙げられると思いますが(そして他にもたくさんいらっしゃると思いますが)、どなたも、はっきり言って凡人には到底理解できないほどの深い専門性をお持ちであり、まずもってトピックそのものが凡人の見聞きする範囲のレベルを超えています。そんでたまに難しくて読んでも意味がわからないエントリとかたくさん書くわけです。これらの人たちには大量のシンパとともにアンチもいらっしゃると思いますが、少なくとも彼らには一見してそれとすぐわかる専門性が場合によっては複数あり、それが大きな武器になっています。普通の人がのんびり生きていて得る情報源とは別のところにソースがあり、アウトプットに至るまでのプロセスが常人離れしているのでしょう。文章もうまい。だからこそ彼らは「アルファブロガー」たりうるのでしょう。

 

ところがイケダ氏はどうでしょうか。余計なお世話かもしれませんが、彼には何か専門的に書けるコンテンツがあるようには思えません。サラリーマンはダメだとか、新しい働き方がこれからは大切だとか、メインコンテンツはそのへんのビジネス書に書いてあるような今更感の漂う話題ばかりです。これが一つか二つくらいのエントリならトピックとして意味があると思うのですが、そればかりを延々続けているというのはどうかと思うわけです。それなのに、おそらく日本人の大多数であるサラリーマン諸氏をdisりまくるという芸で延々アフィリエイトを稼がれ、その状態を自称して「プロブロガー」というのは、同じ業界の人からみても、disられるサラリーマンの方々もおもしろいはずがありません。

 

(とはいえ、氏の痛烈というより「痛切な」ルサンチマンは、むしろサラリーマン生活に対する屈折した羨望のようにもみえます。言うまでもないことですが、サラリーマンであっても比較的自由の利く生き方をされている人は想像以上に結構居るわけです。しかし、あえてステレオタイプなサラリーマン像を仮想的としているのは、何か炎上商法とは別に氏が拘泥するきっかけがあったのではないかと思ったりもします。)

 

話がやや飛躍しますが、イケダ氏のおかれた状況はこういう文脈にあるわけですから、多くの実績ある方が氏の「10年後」を期待しているのも頷けます。誰しも、こういう薄っぺらいコンテンツが長続きするとは思っていないわけですし、ネタ枯れ→過激な表現のインフレ→先鋭化して没落という流れが容易に想像されて、なんだか悲しくなるのではないでしょうか。とくに同業の方にとっては、このまま氏がフェードアウトしていくのは、業界が先細るようなイメージがあってあまりよくないですしね。。。なんだかんだまだ若いイケダ氏が一皮剥ける可能性はあるわけで、そこに期待したいという気持ちもわかる気がします。そういうわけで、イケダ氏には今後もぜひ炎上芸とはべつのもう一つの決め球を習得していただいて、同じ芸人でもやまもといちろう氏のような渋い芸人になっていただきたいと思うところであります。これも氏の言う「匿名の卑怯者が安全圏から実名で勝負している人を公然と上から目線で罵倒している」ことになりますので、中々難しいところであります。

 

ところでネットで話題になっているネタに言及するのは初めてなのですが、こういうエントリを書いてしまうと、まかり間違ってエゴサーチに引っかかってしまう可能性もあるわけです。そう思うと非常にドキドキします。十数年前にはじめてインターネットのホームページを開設し、index.htmlをftpしたときのようにドキドキしていますw こういうことをストロングスタイルで何年も続けているやまもと氏などは本当に凄いなと思った次第です。