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人身事故に関する愚考

先日、JR品川駅にて人身事故があった。

 

わたしもちょうど取引先からの帰りに山手線に乗っていたため、そのときの混雑に巻き込まれてしまった。一緒にいた同僚と30分くらい待っていたのだが、疲れていたこともあってか判断を誤り、途中で別の路線に乗り換えようとしてさらなる混雑に巻き込まれてしまった。

 

しかし、ちょうど帰宅時間に差し掛かったタイミングだったので、東海道線(含む山手線+京浜東北線)の輸送量を並走する路線で吸収するのは難しかったのであろう。振替路線はわたしと同じように振替乗車を急ぐサラリーマン諸氏でごった返しており、完全にパンクしていた。混雑電車が嫌すぎるので、結局わたしはもう少し大回りのコースで迂回して帰ったのだが、無駄な運賃を払っただけでなく、余計に時間がかかって、ヘトヘトになりながら帰宅したわけであった。

 

ちなみに同僚はそのまま待っていたら山手線の運転が再開し、わたしよりもはるかに早く、かつ楽に、目的地についたとのことであった。ここでの教訓は、下手に動かない方がよかったということであろう。行動経済学的に言えば典型的な悪手である。わたしが株式投資で失敗を繰り返しているのも偶然ではあるまい。

 

思い返すと6年前にも、同じ時期(5月)に人身事故に関するエントリーを上げていたようだ。

 

nerdman.hatenablog.com

 

今回、わたしはこれと同じようなことを考えながら、混雑する電車に突進する人々を眺めていた。5月の連休明けというのはそういうタイミングなのかもしれない。セル・イン・メイとはよく言ったものだが、折しも令和になってからの株価は米国も日本も冴えず、大幅な下落相場となっていたこともこの事故の遠因なのではないか。わたし自身、ポジションをかなり下げていて勤労意欲が失われていたことは事実だ。仕事も冴えず、ポジションも冴えないというのは確かにつらい。

 

 

人身事故のような、ぼーっと考える時間があると余計なことを考えてしまう。満員の振替路線に乗ろうとして乗れず、イライラしている自分を客観的に見ていると、自分が情けなくなってくるわけである。

 

 

どういうことかというと、例えば先ほどの同僚氏の例のように、山手線車内で待つ選択をした人は、再開までの時間を座って待つことができる(他の人も同じように振替に急ぐので、対照的に山手線内はがら空きになる)。これも一つの勝ちパターンであろう。わたしはそれに乗れなかった。とっさの判断で負け犬コースを選択してしまったわけだ。

 

一方で、例えば高輪や麻布のような所に住んでいるケースであればどうだろうか。迷うことなくタクシーを拾い、わずかな追加投資で何事もなかったように帰宅することができるだろう。あるいは、仮に遠方に住んでいたとしても、懐に余裕があるようならば、距離に関わらずタクシーという選択肢を取り得ただろう。わたしにはそれができなかった。

 

そもそも、取引先に自分から出向かなければならないという時点でもう負けているのかもしれない。もしこれが自宅で仕事ができるような立場であれば、初めから人身事故などの影響は極小であろう。わたしは当然務め他人なので、この選択肢も初めから論外だ。

 

あるいは、全く別の観点で、パッと気分を切り替えて、電車が動くまで一杯やってから帰ろうという判断ができた人や、カフェで仕事をしてから帰ろうという人もいたかもしれない。カバンの中に入れっぱなしでなかなか読むきっかけのなかった本をじっくり読めたという人もいたかもしれない。いずれも、突然に発生した隙間時間を有効な時間に替えられたという意味で大変な勝者と言える。

 

…などと、様々な考えを馳せながら帰途についたわけである。わたしの基本的な防衛機制は、コントロール不可能な出来事があったときには、事前に予防策や代替策を取れない自分の不甲斐なさにしょんぼりするというパターンが多い。さて、皆様はどう思われたであろうか。