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大学生の息子に対するアドバイス

大学新入生に「お金が要らないのはあと4年」と告げること

 

発言小町』で話題になっていたエントリ。この4月で大学生になった息子を徐々に自立させるという目的で父が考えた「訓示」らしい。引用してみると次のとおり:

 (1)今から4年間は学費・生活費ともに親が完全に負担する。

 

(2)正当な理由なく留年して学生生活が5年目に入る場合、その後の学費の半分は自分で働くなどして負担すること。

 

(3)留学や院進学などで学生生活を延長することは可能だが、その学びが必要なものだということを親にプレゼンして納得させることが条件。

 

(4)学生生活が終わっているか否かを問わず、我が家に無料で住めるのはあと4年間。5年目からは月3万円の家賃兼食費を徴収する。なお家賃兼食費はその後1年ごとに月1万円ずつ上昇していき、上限はない。(5年もすれば、自分でアパートを借りたほうが安くなるという設定です)

 

みなさまどう思われますか? ということなので、「模範的回答」は小町各位にお任せするとして、わたしの思うところを書いてみたい。

 

まず、こういう発想がうまれるというのは、きっと裕福なご家庭なのだろう、というのが第一印象。次に、裕福(であるという前提で話をすすめると)なのに、なんでこんな考え方しか出来ないのか。そして、こんな甘ったれた感性なのに、なぜ裕福になれたのだろうか、時代って恐ろしいな、いや、むしろこういう「平均的日本人」的な発想だからこそ、裕福になったのかな?という感想が二点目。

 

本旨とまったく関係ないようだが、都会の「中流家庭」というのは、こういう、寝ぼけたような感性の平均的日本人がその大多数の構成員なのではないか、という、いささか被害妄想めいた感情が沸き起こってくる。(コメントしている小町諸氏にもこんな感じの人が混じっていて具合が悪くなってくる。前提としている世界観が違うのだろうか?)

 

わたしは地方のど田舎出身なので、自らの生い立ちからこういう例には過剰反応してしまう。自らの経歴を基準に他人を云々するのはアレなので詳細は控えるが、こうしたひとたちは何か「自立」というものを根本的に勘違いしているのではないかと思う。コメント小町諸氏も色々な種類の反応があるが、「親が色々考えて選択肢を提示する」というところでは共通の理解があるようだ。「回答も含めて選択肢を自分で考えろ」という発想がひとつもないのが、わたしにとっては意外だった。それを考えること、そして、それを(運も含めて、というか運が殆どなのだが)受け入れるのが、本当の自立なのではないか?とついつい考えてしまう。

 

上手い言葉が思いつかないが、選択肢と回答を与えるという点で既に自立を促していないという感覚がどうしてもぬぐえない。また、18を過ぎて親元で暮らすという感覚もいまひとつよくわからない。勿論、今のご時勢、住居費が大きな負担となることは間違いないので、一人暮らしをする経済的な理由は殆どないのであろうが、それでもやはり、自立を促す意味でも親元から離れるのがもっとも有効であろう。「自立」をさせるという文脈で、「別居」という発想がまったくないのも謎だ。

 

まとめに入ると、「自立」という概念に関しては、経済的な背景が大きく作用していて、生まれた環境によって大きく意味合いが変わってくることだけは間違いなさそうである。多くの人が自分が生まれ育った環境をベースラインに思考しているため、ある人にとっての自立が、ある人にとっての自立でない…というのを、コメントをみていると痛感した。まあ、そりゃそうか、親がユニクロの柳井さんだったら、自立するなんて無理だ。むしろそんな必要なんてないだろう。実家が金持ちなんだったら、逆に自立しないことが必要なのかもしれない。煮えきれない結論に至ったところで終了。